INLAND EMPIRE

フロイト的に単純化すると、

ファントムはニッキーの暴力本能:ファントムは撃たれるとニッキーの恐ろしい顔に変わる

刺す女はニッキーの自分への暴力本能:刺す女はファントムの呪文に操られ、ニッキーと同じところにドライバーが刺さる

夫はニッキーの自らを規制するの心:敵ではない。ファントムを撃つ拳銃は彼が調達してニッキーに渡る

で、ラビットたちと(私も大好き)グレイス・ザブリスキーはニッキーを見守り、助ける神々だ。

そして、ニッキーは我々観客の象徴であるロストガールのため自らを捧げ、エンドロールにおいて、娼婦たちや、片足のファントムの妹や、裕木奈江紹介のニコや、ローラ・ハリング、ナスターシャ・キンスキー、そしてローラ・ダーン自身(つまり女優たち)といった社会の生贄的存在者たちと一緒に天に召されて「聖なるもの」となるのだ。(思い返せば『Eraserhead』のラジエターの女=「聖なるもの」も舞台の上に現れたのだった)

そう、デヴィッド・リンチは彼の最終映画作品において神話を作り上げたのだと私は思う。

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