ヴァチカン教皇庁図書館 III(印刷博物館)

トッパンホールには何度も行っているが、その地下の印刷博物館に行ったことはなかった。どうせ企業の資料館的なものなのだろうとナメていたのだ。しかし降りてみると、その内容の充実に驚かされた。ここを観るためだけでも行く価値がある。さすがTOPPAN。

本展はヴァチカン教皇庁図書館等の蔵書のうち特に有名な本を展示するもので、「印刷」博物館だからそのほとんどが印刷本だった。

つまり大量複製品の展示なのだが、それでもデカルト本人の書き込みがある『方法序説』初版本や、図解や数式を多用したニュートンの『プリンピキア』、「種の分岐系図」が折り込まれたダーウィンの『種の起源』などを見ると「この本で世の中の世界観がひっくり返ったのか」と感慨深かった。

また、デュドロ、ダランベールらによる『百科全書』も今回初めて実物を見て、こんなにデカい本(高さ約40cm, 厚み約6.5cm、重さ4kg前後)というか、もはや「本」とは言いにくい何物かであることに驚いた。

ただ、これらの技術的初期段階の印刷本に較べれば、カラフルな装飾をふんだんに書き加えるなど、中世千年を通して洗練され続けた写本のほうがモノとして全然美しかったことも分かった。

そしてもう一つ印象に残ったのは印刷とレンズの関係についての話だ。

印刷本が普及する→読書人口が増える→メガネの需要が増える→レンズづくりの産業化→望遠鏡と顕微鏡の発明→人類の視野が広がり(天文学・生物学の発展)世界観が変わる。

https://www.printing-museum.org/collection/exhibition/t20260425.php

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